外観検査AIで失敗しないためには?

近年外観検査AIは、製造業や品質管理の現場で大きな注目を集めています。
しかし、外観検査AIの存在は知っているものの、導入まで踏み切れていない方や、様々な理由から導入出来なかった方も多いのではないでしょうか。
本ページでは、AIの導入に失敗しない方法や、AIの導入が増えている業界、その理由などについて解説します。

 

1.外観検査AIで失敗しないためには

外観検査AIの導入は多くのメリットをもたらしますが、失敗するケースもあります。
トレーニングデータの質が悪いと、不十分なデータセットでトレーニングされたAIは正確に検出する能力に欠けることがあります。
特に光学設計が不適切であったため、不良部分などがしっかりと撮影できず、要件を満たすAIが開発できないケースも少なくありません。
また、実際の生産環境と異なる条件でトレーニングされたAIは、現場での検査精度に問題を生じさせる可能性があります。
参考元:株式会社フツパー Hutzper「外観検査AIとは?製造業に革命をもたらす検査技術を徹底解説(https://hutzper.com/usefulness/mekiki-image_recognition/)2023/4/10」

対策
外観検査AIの導入には手戻りが生じないよう、要件定義や光学設計の段階からしっかりと精査しPJを進めることが非常に重要になります。
たとえば、「傷の深さは0.1mm以下を許容」といった基準を作成し、これをAI学習に反映させます。合意形成を行い、基準の周知を徹底する必要があります。
また、導入前に製造現場の環境(湿度、温度、振動、光源条件)を細かく調査し、それに適したハードウェアを選定する必要があります。防塵・防湿仕様の機器を採用したり、適切な照明を設計することで外観検査AIの導入での失敗を回避することができます。

 

2.最近活用が増えている製品

近年では外観検査をAIで行う企業が増えており、食品業界や自動車業界、製造業など多岐にわたり活用されています。
その中でもどのような製品に活用されることが多いのか、ご紹介します。

・食品製造業の例
厳格な品質管理を必要される食品製造業では、微細な欠陥や異物を高精度で検出する必要があるため、重要な工程である外観検査にAIを導入されることが多くなっています。
一般的なAIでも焦げ検知や個数カウント等をAIで検査することは可能ですが、近年ではそれらの検査を360度のカメラ(光学設計)を使い、一度に検査することができます。
どの食品に対してもAIの導入は可能ですが、一例として以下のような商品をAIで自動化することができます。

 

・機械製造業
複雑な形状や多様な素材の多い自動車や金属加工等の機械製造業では、人の目では難しい細かい部分を自動化することで、より高精度な品質管理や生産性を向上させることができます。
自動車産業など検査基準の高い業界では、AIの導入が進んでいないところも多いですが、近年のAI/光学設計の高さでは人と同等、またはそれ以上の検知が可能です。
外観検査AIは多くの製品に対応可能ですが、一例として以下のような商品をAIで自動化することができます。

 

3.なぜ増えてきているのか?

第2章のような業界/商品で外観検査AIの導入が増えている理由は、AIのレベルが上がり、人でしか対応出来なかった検査項目にもAIで対応可能になったことが理由の1つとして挙げられます。

・食品業界
食品製造業が他の製造業と異なる点は、検査対象の形状や色に厳密なルールがないことです。たとえば、車用のエンジンに使われる部品にはμm単位の高い寸法精度が求められますが、パンはランダムな形で製造されます。
このように、食品工場の外観検査は機械で検査しにくい特徴があります。
しかし、画像認識AI食品の外観検査でも実用化できるレベルに進化しました。なぜなら、多層化したニューラルネットワークを用いた機械学習であるディープラーニング(深層学習)とバックプロパゲーション(誤差逆伝播学習)を組み合わせたAIモデルを用いることで、あいまいな目視検査を再現するための特徴量を自動で見つけられるようになったからです。
そのため、形や色のばらつきが大きい食品の外観検査にも画像認識AIが活用できるようになりました。
参考元:株式会社フツパー Hutzper「食品工場の外観検査をAIで自動化する5ステップとメリット3選(https://hutzper.com/usefulness/mekiki_procedure/)2023/3/3」

・機械製造業
年々AIの精度が上がっているにもかかわらず、自動車産業等の検査の基準が高い業界ではまだ、外観検査AIの導入は他業界ほど進んでいません。
ですが、現状のAIのレベルの高さでは、製品を360度確認できる光学設計などの進化により、人間の目では見逃しやすい数μの傷や汚れ、欠陥も検知可能になり、品質管理が強化されてリコールのリスクが低減できます。
また、機械製造業では、生産ラインの自動化が進んでいます。AIによる外観検査は、他の自動化システムと連携しやすく、全体の生産効率を向上させることができます。
AIの進化に伴って、大手企業を中心にAI導入も増えてきています

 

さいごに

外観検査AIの導入には、製造現場にあったAIを導入することが重要です。
弊社では、お客様の現場にあったご提案をいたします。お気軽にお問い合わせください。

 

 

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